はむはむ絵本 ~2児のママがおすすめする絵本のご紹介~

3歳男の子と6歳女の子のママです。これまでに読み聞かせてきた絵本を紹介しています。

【読書感想文/レビュー】1さいだもんポケット / accototo

1歳だもんポケット:豊かな感性を育む、親子の触れ合いを深める一冊

「1歳だもんポケット」は、1歳児の好奇心と発達を刺激する仕掛けが満載の一冊です。単なる絵本ではなく、親子のコミュニケーションツールとして、そして遊びを通して子どもの成長を促すためのツールとして、非常に優れた設計がなされていると感じました。本書の魅力を、いくつかの視点から詳しくレビューしていきたいと思います。

豊富なテーマと繰り返し楽しめる工夫

本書は、1歳児が興味を持つであろう様々なテーマを網羅しています。動物、乗り物、食べ物など、身近な題材が中心で、色彩豊かで可愛らしいイラストが、子どもの目を惹きつけます。しかし、単に絵が可愛いだけでなく、各ページには工夫が凝らされています。例えば、動物の鳴き声を表すオノマトペが大きく書かれていたり、簡単な動作を促すようなイラストが描かれていたりします。これにより、子どもはただ絵を見るだけでなく、積極的に参加し、五感を刺激しながらページをめくっていくことができます。

特に印象的だったのは、繰り返し楽しめる仕掛けです。同じ動物が異なるページに登場したり、同じ動作が異なる状況で表現されたりするなど、飽きさせない工夫が随所に散りばめられています。1歳児は同じ絵本を何度も繰り返し読みたがる傾向がありますが、この本であれば、何度読んでも新鮮な驚きと喜びを感じることができるでしょう。これは、子どもの集中力や記憶力の発達にも大きく貢献すると思います。

親子のコミュニケーションを深めるための導き

本書の大きな特徴として、各ページに親への声かけや遊び方のポイントが記載されている点が挙げられます。単に絵を見せるだけでなく、どのように子どもと関わればより効果的なのか、具体的なアドバイスが書かれていることで、親は安心して子どもと接することができるでしょう。例えば、「ワンワン!」と声をかけながら犬の絵を指差したり、ページの絵を真似して一緒に動物の真似をしたりするなど、具体的な指示が示されているため、親子のコミュニケーションが自然と深まります。

また、遊び方のヒントが単なる指示にとどまらず、子どもの反応を見ながら臨機応変に対応するよう促す内容になっている点が素晴らしいです。例えば、「〇〇はどうかな?」と問いかけることで、子どもの主体性を尊重し、思考力を育むことを促していると感じました。これは、親が一方的に絵本を読み聞かせるのではなく、子どもとの対話を通して絵本を楽しむための重要な指針となるでしょう。

2歳へのステップアップを促す設計

本書は、1歳児向けではありますが、2歳へのステップアップを意識した内容になっていると感じます。単純な絵だけでなく、簡単な言葉遊びや数遊び、色の認識など、2歳児へと繋がる要素が自然な形で含まれています。例えば、ページをめくる動作自体が、子どもの運動能力の発達を促し、指先を使う作業は細かい動作の習得に繋がります。また、簡単な数詞や色の表現が登場することで、自然と数を数えることや色を認識することに興味を持つきっかけを与えてくれます。

このような、遊びを通して自然と学習効果を得られる点が、本書の大きな魅力です。無理強いすることなく、遊びの中で学びを得ることができるため、子どもは楽しく学習に取り組むことができます。これは、子どもの学習意欲を高める上で非常に重要な要素だと思います。

改善点に関する提案

全体として非常に優れた絵本だと感じましたが、強いて改善点を挙げるとすれば、ページの耐久性についてです。1歳児は絵本を激しく扱うことも多いため、丈夫な素材を使用する、あるいはラミネート加工をするなど、より耐久性を高める工夫があると更に良いと思います。また、ページの構成によっては、1歳児にとって少し複雑に感じる部分があるかもしれません。よりシンプルで分かりやすいデザインにすることで、より多くの1歳児が楽しめるようになるでしょう。

まとめ

「1歳だもんポケット」は、単なる絵本ではなく、親子のコミュニケーションを深め、子どもの成長を促すためのツールとして、非常に高い価値を持つ一冊です。豊富なテーマ、繰り返し楽しめる工夫、親への具体的なアドバイス、そして2歳へのステップアップを意識した設計など、多くの魅力が詰まっています。1歳児を持つ親御さんにとって、心強い味方となること間違いなしです。本書を通して、親子の絆を育み、子どもの豊かな感性を育んでいただければと思います。 この絵本は、子どもにとって楽しい時間、親にとって充実した時間を提供してくれる、そんな素晴らしい絵本です。 ぜひ、お子さんと一緒に楽しんでください。