はむはむ絵本 ~2児のママがおすすめする絵本のご紹介~

3歳男の子と6歳女の子のママです。これまでに読み聞かせてきた絵本を紹介しています。

【絵本レビュー】ぼくのかぞくぼくのからだ プライベートパーツのえほん / きたがわめぐみ・今西洋介

ぼくのかぞくぼくのからだ プライベートパーツのえほん:感想とレビュー

本書「ぼくのかぞくぼくのからだ プライベートパーツのえほん」は、3歳児を対象とした性教育絵本です。幼い子供にも理解しやすいように、シンプルで優しい言葉遣いと、親しみやすいイラストを用いて、デリケートなテーマである体の構造や性について丁寧に解説しています。読み終えた後、本書が持つ意義と、その素晴らしさ、そして若干の改善点について、詳細にレビューしたいと思います。

親しみやすいイラストと分かりやすい説明

まず、本書の魅力として最も印象に残ったのは、イラストの素晴らしさです。鮮やかで温かみのある色彩と、子供にも理解しやすいシンプルな絵柄は、子供たちの好奇心を刺激し、読み聞かせの時間をより楽しく、親しみやすいものにしてくれます。特に、体の各部分を分かりやすく図解したページは、言葉だけでは伝えにくい部分を視覚的に理解させるのに非常に効果的です。

説明文も同様に、子供にも理解しやすいように、短い文章と簡単な言葉で書かれています。専門用語を避け、日常会話で使うような言葉を選ぶことで、子供は自然と内容を理解し、親も安心して読み聞かせができます。例えば、「プライベートパーツ」という言葉も、子供にも理解できるような言葉で説明されており、性器をタブーとせず、自然に受け入れることができるように導いています。

具体的な事例と親へのアドバイス

本書は、体の各部分の名称や役割を説明するだけでなく、具体的な事例を通して、子供たちが抱きやすい疑問や不安にも丁寧に答えています。例えば、お風呂に入るときの注意点や、他の人から触られた時の対処法など、具体的な状況を想定した説明は、子供たちが将来、性に関する問題に直面した際に、適切な判断をするための助けとなるでしょう。

また、本書は、親へのアドバイスも充実しています。子供への性教育における親の役割や、子供とのコミュニケーションの取り方など、具体的な方法が示されているのは大変役に立ちます。性教育は、子供と親の信頼関係を築く上で非常に重要であり、本書は、その関係構築において、親を積極的にサポートしてくれます。本書を読み終えた親は、子供とのコミュニケーションの重要性を再認識し、より積極的に子供と向き合うことができるようになるのではないでしょうか。

少し物足りない点と改善点への提案

本書は全体として非常に優れた絵本ですが、改善を希望する点もいくつかあります。まず、男の子と女の子の体の違いについて、もう少し詳しく解説してほしいと感じました。本書では、性器の名称や役割については触れていますが、生理現象や妊娠出産といった、女の子特有の体の変化については、より詳細な説明が必要ではないでしょうか。

また、性に関する様々な問題、例えば性的虐待や性的差別といったデリケートな問題にも、より踏み込んで触れてほしいという思いがあります。もちろん、3歳児にこれらの問題を全て理解させることは難しいでしょうが、性に関する様々な側面を網羅することで、より包括的な性教育を実現できるはずです。

まとめ:性教育の第一歩として最適な一冊

本書「ぼくのかぞくぼくのからだ プライベートパーツのえほん」は、3歳児への性教育の第一歩として最適な一冊です。親しみやすいイラストと分かりやすい説明、そして具体的な事例を通して、子供たちは自分の体について正しく理解し、性に関する様々な問題に対処するための基礎を築くことができるでしょう。

若干の改善点こそありますが、全体として、本書は子供たちの健やかな成長をサポートする上で、非常に貴重な存在です。性教育に不安を感じている親御さんにも、自信を持っておすすめできる一冊です。本書をきっかけに、子供と安心して性について語り合える関係を築き、健やかな成長を支えていきたいと心から願います。 本書は、子供たちだけでなく、親にとっても、性教育について改めて考える良い機会を与えてくれるでしょう。 性に関する知識の共有、そして何より、子供たちへの愛情と信頼を育むための、素晴らしいツールであると確信しています。