はむはむ絵本 ~2児のママがおすすめする絵本のご紹介~

3歳男の子と6歳女の子のママです。これまでに読み聞かせてきた絵本を紹介しています。

【読書感想文/レビュー】はちのこしょうてんがい / 葉若としや

はちのこしょうてんがい:小さな発見が織りなす、心温まる絵本の世界

「はちのこしょうてんがい」は、一見シンプルなタイトルながらも、ページをめくるごとに様々な「はち」の世界へと誘ってくれる、奥深い魅力を持つ絵本です。 読み終えた後には、日常生活の中に隠された小さな「発見」の喜びと、自然への優しいまなざしを改めて感じさせてくれる、そんな作品だと感じました。

多様な「はち」たちの魅力:想像力を刺激するビジュアルと描写

この絵本の最大の魅力は、多種多様な「はち」が登場することです。 私たちが一般的にイメージするミツバチはもちろんのこと、 様々な形や色、大きさの「はち」が、鮮やかで繊細なイラストによって描かれています。 中には、実在の昆虫をモデルにしているものもあるでしょうし、作者の豊かな想像力から生まれた、現実には存在しない「はち」もいるかもしれません。その多様性は、子供たちの想像力を大きく刺激し、創造性を育むのに役立つと感じます。

例えば、キラキラと輝く宝石のような「はち」や、ふわふわの羽根を持つ「はち」、 体中に模様が描かれた「はち」など、一つ一つの「はち」は個性豊かで、見ているだけで楽しくなってきます。 それぞれの「はち」が、どのような生活を送っているのか、どんな性格をしているのかを想像するのも、この絵本の楽しみ方のひとつです。 イラストだけでなく、文章もそれぞれの「はち」の特徴を巧みに表現しており、読者は自然と「はち」の世界に引き込まれていきます。 絵本の構成も工夫されており、ページをめくる度に新しい「はち」との出会いが待っているため、飽きることなく読み進めることができるのです。

発見の喜びと自然への愛:絵本が伝えるメッセージ

「はちのこしょうてんがい」は、単に様々な「はち」を紹介するだけでなく、自然への愛や、日常生活の中に潜む「発見」の喜びを優しく伝えてくれる絵本でもあります。 絵本を通して、子供たちは自然界の多様性や、小さな生き物たちの存在に気づき、それらを大切にする心を育むことができるでしょう。

例えば、ページをめくるたびに現れる「はち」たちは、ただそこにいるのではなく、それぞれが独自の行動をとり、自然の中で生きています。 花から蜜を集めたり、巣を作ったり、仲間と協力して生活したりする様子は、子供たちに自然の営みの素晴らしさを教えてくれます。 また、絵本全体から漂う、作者の自然への深い愛情も感じられます。 それは、細部まで丁寧に描かれたイラストや、生き物たちへの優しい言葉遣いなど、様々な部分から伝わってきます。

さらに、この絵本は「発見」の喜びをテーマにしているように感じます。 見慣れた風景の中に、今まで気づかなかった「はち」を発見する喜び。 それは、日常生活の中に、まだまだ多くの発見があるということを教えてくれる、大切なメッセージです。 子供たちは、この絵本を読み終えた後、身の回りの自然を今まで以上に注意深く観察するようになり、新たな発見をする機会が増えるのではないでしょうか。

親子のコミュニケーションを深める一冊

「はちのこしょうてんがい」は、親子のコミュニケーションを深める上でも非常に優れた絵本です。 親子で一緒に読みながら、それぞれの「はち」について語り合ったり、想像力を膨らませたりすることで、より一層絵本の魅力を味わうことができるでしょう。 親御さんは、子供の疑問に丁寧に答えたり、一緒に「はち」の絵を描いたりするなど、絵本をきっかけに子供との絆を育むことができるはずです。

特に、絵本の言葉遣いは子供にも理解しやすく、親御さんにとっても読みやすい点が好印象です。 難解な言葉や表現は一切使われておらず、子供たちは自然な流れで物語の世界に入り込むことができるでしょう。 また、イラストも可愛らしく、子供たちの心を掴むのに十分な魅力を持っています。

まとめ:読む人の心を豊かに彩る絵本

「はちのこしょうてんがい」は、単なる「はち」の絵本ではありません。 それは、自然の美しさ、発見の喜び、そして人間と自然の共存を優しく描いた、心温まる一冊です。 子供たちだけでなく、大人も楽しめる作品であり、改めて自然の素晴らしさ、そして日々の生活の中に隠された小さな幸せに気づくきっかけを与えてくれるでしょう。 この絵本を通して、読者の皆さんが、心豊かな時間を過ごせることを願っています。 様々な「はち」の世界を旅する、そんな素晴らしい体験を、ぜひ皆さんにも味わっていただきたいと思います。 そして、この絵本が、読者の皆様の心に、小さな幸せの種を蒔いてくれることを願っています。