はむはむ絵本 ~2児のママがおすすめする絵本のご紹介~

3歳男の子と6歳女の子のママです。これまでに読み聞かせてきた絵本を紹介しています。

【絵本レビュー】いちにちどうぶつ / ふくべあきひろ・かわしまななえ

『いちにちどうぶつ』:驚きと笑いに満ちた野生動物の一日

絵本『いちにちどうぶつ』は、「いちにち」シリーズの第五弾として、動物たちの魅力を存分に伝えてくれる一冊です。 子供たちの心を掴む可愛らしいイラストと、驚きと発見に満ちた構成は、読み聞かせをする親にとっても大きな喜びとなるでしょう。 本書の魅力を、いくつかの視点から深く掘り下げていきたいと思います。

想像を超える動物たちの日常:知的好奇心を刺激する描写

本書では、シマリス、キリン、パンダ、ムササビ、コアラ、カンガルー、ラッコ、ピグミーマーモセット、ゾウといった、多様な動物たちが登場します。 それぞれの動物を一日を通して追体験することで、我々が普段想像することのない彼らの生活を、鮮やかに描き出しています。

例えば、シマリスの頬袋が驚くほど膨らむ様子や、キリンが立ったまま眠る姿、パンダの意外なほどの登攀能力、ムササビの100メートル以上の滑空などは、読者に驚きと感動を与えてくれます。 これらの描写は、単なる事実の羅列ではなく、擬音語や擬態語を効果的に用いることで、動物たちの行動を生き生きと表現しています。 子供たちは、これらの描写を通して、動物たちの生態に対する知的好奇心を刺激され、自然への関心を深めていくことでしょう。 また、大人にとっても、改めて動物たちの奥深い生態を知る機会となり、新たな発見に繋がるはずです。

ユーモア溢れるイラストと文章:笑顔がこぼれる楽しい時間

本書の魅力は、緻密でユーモラスなイラストにもあります。 各動物の表情や仕草は、実に生き生きとしており、見ているだけで楽しくなります。 特に、動物たちが何かに驚き、喜び、あるいは困っている様子は、子供たちの共感を呼び、心温まる気持ちにさせてくれます。

文章もまた、簡潔ながらもユーモアに溢れており、子供たちが理解しやすい言葉で書かれています。 短い文章の中に、動物たちの個性や魅力が凝縮されており、読み聞かせをする側も、自然と感情移入しながら、子供たちに語りかけることができます。 親子の会話が弾み、楽しい時間を共有できる一冊と言えるでしょう。

多様な動物たちとの出会い:視野を広げる貴重な体験

本書では、一般的な動物から、比較的馴染みのない動物まで、様々な種類の動物が登場します。 ピグミーマーモセットやムササビなど、普段なかなか目にする機会のない動物についても、親しみやすいイラストと分かりやすい文章で紹介されているため、子供たちはそれぞれの動物の特徴を自然と理解することができます。 このことは、子供たちの動物に対する知識を深め、自然界の多様性に対する理解を育む上で非常に有益です。 様々な動物を知ることで、子供たちの視野は広がり、自然への関心や愛着がより一層深まることでしょう。

親子のコミュニケーションを促進するツールとしての役割

『いちにちどうぶつ』は、単なる絵本ではなく、親子間のコミュニケーションを促進するツールとしての役割も担っていると考えられます。 読み聞かせを通して、親は子供と密接に接し、絵本の世界を共有することができます。 子供たちは、読み聞かせを通して、親の声のトーンや表情から感情を読み取り、より深く絵本の世界に入り込むことができるでしょう。 また、絵本の内容について語り合うことで、親子の間の絆がより一層強まるはずです。 特に、動物たちの行動や特徴について、親子で一緒に考えることで、学習効果を高め、記憶にも定着しやすくなります。

繰り返し読みたくなる魅力:飽きさせない工夫

本書は、一度読んだだけでは理解しきれないほどの魅力が詰まっています。 細かい描写やユーモアは、何度読んでも新しい発見があり、子供たちは飽きることなく楽しむことができます。 そのため、子供たちは何度も繰り返し本書を読み返し、動物たちの生態や特徴をより深く理解していくでしょう。 この繰り返しによる学習効果は、子供たちの知識の定着に大きく貢献します。 また、親にとっても、子供と何度も一緒に読むことで、より深い愛情が育まれることでしょう。

まとめ:心温まる一冊

『いちにちどうぶつ』は、動物好きの子供たちにとって、まさに夢のような一冊です。 生き生きとしたイラストとユーモア溢れる文章、そして多様な動物たちとの出会いは、子供たちの想像力を掻き立て、自然への関心を育みます。 本書は、子供たちにとって忘れられない楽しい時間をもたらし、親子の絆を深める貴重な機会を与えてくれる、心温まる絵本と言えるでしょう。 「いちにち」シリーズの他の作品と同様に、この作品もまた、長く愛されるべき良書であると確信しています。